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膀胱炎について | 08月02日更新

単純性膀胱炎の治療では完治確認が必要

単純性膀胱炎と複雑性膀胱炎

膀胱炎は細菌により発症するものが最も多い尿路感染症の一種で、単純性膀胱炎と複雑性膀胱炎に分類されます。

主に直腸に常在している菌が会陰部を経て尿道から膀胱へ細菌が侵入する逆行性感染と呼ばれる感染で起こるのです。

そして膀胱に侵入した細菌が膀胱の粘膜組織内に入って、細胞を破壊する毒素を分泌することにより炎症が生じるというのが、膀胱炎が発症する仕組みになります。

一般的な症状は、排尿痛・頻尿・尿意切迫感・残尿感・下腹部痛などで、尿の混濁や血尿がみられることもあるのです。

単純性膀胱炎は、20~40代の性的活動期の女性が最も多く発症しますが、閉経後に女性ホルモンが低下することで、膣の常在菌である乳酸菌が減少し細菌が侵入しやすくなることで罹患する傾向もあります。

グラム陰性桿菌である大腸菌が原因菌の約70%を占めていて、そのほかプロテウス菌・肺炎桿菌・腸球菌など原因菌になるのです。

複雑性膀胱炎は、前立腺肥大症・神経因性膀胱・膀胱結石などの下部尿路の基礎疾患により尿流が妨げられたり、カテーテルが長期間留置されたり、全身状態の低下などが原因で発症します。

また、糖尿病・ステロイド剤などの長期間にわたる服用で、体の感染防御機能を低下させてしまうことも感染の原因になるのです。

原因となる菌としてはグラム陰性桿菌が多いですが、緑膿菌・メチシリン耐性ブドウ球菌・拡張型βラクタマーゼ産生菌など、複数の薬剤に耐性を持つ細菌も原因菌としてよくみられます。

一般的には自覚症状はなくて、慢性的に膿が混じった膿尿と、細菌が混じった細菌尿の症状がみられるだけですが、基礎疾患が悪化した場合には、急性腎盂腎炎などを併発して重篤になることもあるのです。

治療では完治確認が必要?

単純性膀胱炎の治療としては、ニューキノロン系抗菌薬を短期間服用することや、セフェム系抗生剤を5~7日間程度服用します。

一方複雑性膀胱炎は、経口ニューキノロン系抗菌薬やセフェム系抗生剤を7~14日間程度服用して、症状経過や菌への薬の効果を観察しながら抗菌薬の継続や変更を検討するのです。

また尿路や全身の基礎疾患の把握と適切な治療も必要になります。

膀胱炎は抗生物質を服用すれば3日程度で症状はなくなりますが完治ではないので、医師の指示通り服用する必要があるのです。

また再発を回避するためには、完全に尿から細菌や白血球が消えたことを再び尿検査を実施して、完治が確認されたら治療が終了になります。